2018-04-30 Mon
『異世界居酒屋のぶ』がバンダイチャンネルで無料配信されていたので見たのだけど、居酒屋好きとして確かに居酒屋は大正義であり万国共通諸人のための至高の喜びという点は疑いようもない事実とはいえ(ワカコ酒とか好きだし)、第1話から神聖ローマ領邦をモデルにしてそうな城塞都市の住民が、絶対に食べたこともないだろうし、絶対に感じたこともないであろう食感を持つおでんのこんにゃくを躊躇も困惑もすることなく口に運び、そのまま美味しい美味しいと食べる描写にはやっぱり違和感を禁じ得ないなぁ・・・こんにゃくを日本の特産品として欧米圏に売り込もうとした生産者の人たちの艱難辛苦を知っていたら絶対にああいう風にサラっとした描写では流せないよ。
それこそ、こんにゃくをメインテーマに1話割くくらいして欲しかった。
古都アイテーリア側の舞台設定は結構丁寧にやっているのに「居酒屋のぶ」の方は無敵でステキ逐事無謬で押し通すから、結局主人公が無双するだけの典型的なろう小説なのよね・・・なろうはそういう縛りでもあるの?
件の販路拡大に燃えるこんにゃく生産者の方々の話に戻すと、試行錯誤の果てに欧米圏で小麦アレルギー(ノヴァク・ジョコビッチの遅延性フードアレルギーの話も割と有名ですね)が問題になっている事やヘルシー志向などに乗っかって『グルテンフリーかつ低カロリーな食品』として売り込む方向性を確立していったとかなんとか。
たとえばイタリアだと日本人が食べるような、おでんのこんにゃくみたいなのはやはり食感や味に抵抗があるということで糸こんにゃくをヌードルに見立ててパスタのように供しているとか。(現地ではゼンパスタとかいうらしいです)
こういう文化のローカライズって異世界モノと相性いいと思うんだけどなー。
とりわけ中世ファンタジー風異世界民と日本の赤提灯居酒屋とが出会うという独創的なアイデアで攻めているのにもったいない。
現実では絶対に交わらない、異なる文化が出会った時の相互作用みたいなのを描いているのかもと思って期待して見たけどそうでもなかったという話。

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